園内リーダー研修の最初のテーマは「リーダーの役割」


私は、それが、園内リーダー研修であれ、キャリアアップ研修のマネジメント研修であれ、リーダー研修の一番最初のテーマは、「リーダーの役割理解」から話を進めます。
それは、「役割」がわからないと、何をしたらいいのかもわからないからです。
お恥ずかしながら、私は園長先生とのコンサルティングにせよ、リーダー研修にせよ、新任研修にせよ、大いなる後悔でもって行っています。
何を隠そう、かつて私は全くもってダメな社員で、駄目なマネージャーでした。
自身に求められている「役割」なぞ全く理解せず、ただ自身の価値観を押しつけ、まさに最低最悪なリーダーでした。そして、心から反省と後悔の念でいっぱいです。皆さんにそんなことを感じてほしくない一心で今の仕事をしていると言って過言ではありません。
研修冒頭で、
「皆さんの役割は何ですか?」「求められる役割は何だと思いますか」
と聞くと、

特に園長からは聞いていません

私の園での役割は〇〇だと思ってこれまでやってきました


など、いろいろなのですが、要約すると、


「よくわからず、自分なりに解釈してやっている」

ということのようです。

そもそも役割って何ですか

と返ってくることさえあります。

前回のブログ「部下の仕事を上司が奪ってはならない」の中でも触れましたが、それぞれがそれぞれの役割を理解し、その役割を演じることができると、
園長からするとリーダーが期待した役割を果たしてくれハッピーですし、リーダー自身も自身の役割を理解してチームに貢献でき、認められるのですからハッピーです。

保育園のマネジメントの課題を解決する方法1「仕事の任せ方」

こんにちはSKSの井口です。 保育園、こども園の園長先生、主任先生、リーダーなど、職員育成を担当されている先生向けに、 「保育園のマネジメントの課題を解決する方法」…

前回のブログはこちら。

過去の成功体験に埋没して、自身の「役割」を見失うリーダー


マネジメント研修では資料を使って討議をしてもらいます。
テーマは、「映画火天の城に見るリーダーの役割」という独自資料です。
これは、かつて私が観た「火天の城」という映画を紹介しながら、城づくりチームの中の食事部門に配属された新任職員が、後に能力を認められリーダーになる過程で、求められる役割がどう変わるのかを皆さんで考える内容です。
食事部門に配属された当初は、上司から「言われたこと」を上手くこなせることを求められます。
やがて成長し、上司である西田敏行演じる棟梁に、その器量と料理の腕を認められ、彼女は「だし、」。
彼女は「料理の腕(業務遂行能力)」を認められ、リーダーへと昇格していきます。
食事部門長に晴れて任命された彼女の役割はというと、

  • チーム(築城チーム)全体の仕事の流れを把握すること。(どこに何人働いていて、何時に食事を用意する必要があるかを把握するため)
  • 築城に関わるすべての人に健康で活力の出る食を滞りなく提供すること。
  • 食事部門内のチームメンバーの料理スキルが向上できるよう指導すること。
  • 食事部門を統率すること

ですね。
そのために、日々の献立、栄養価、築城各部門すべての業務工程の流れの把握、食事時間や人数の把握などを捉え、食事部門内のメンバーに指示を出し、指導し、やる気を促していくことが求められるのです。
つまり・・・
「業務遂行能力」を認められリーダーになったものの、リーダーになって求められる能力は、その「業務遂行能力」とは全く別物の「マネジメント力」なのです。
そのことを理解せず、「私のキャベツの千切りは絶品でしょ?」なんてばかり言って、果ては、

「千切りや目の前の業務が忙しくて、献立まで手が回らなかった」では求められる役割を果たせていません。これでは本末転倒です。
かつて名プレーヤーとして手腕を発揮していた郷愁(成功体験)に浸るのは自由なのですが、「現在の役割」をおざなりにされてはチーム全体も、チームの部下もたまったものではないのです。

リーダーに「チームにおいて期待する役割を明らかにしているか」

「もっとリーダーが自覚をもって、しっかりしてほしい」
「リーダーがもっと全体を見ることができるように成長してほしい」
というお声をよく聞くのですが、果たしてリーダーに求める役割を具体的に伝えることができているかは検証の必要がありそうです。
園内で「役割として」何を求めているのか。何をしてほしいのか。です。
「副主任は主任の補佐・・・」などと言う中途半端な指令の仕方ではなく、チームの中で果たすべき役割を具体的に提示してあげることが重要です。
また、リーダー自身も自身が求められる役割について、真摯に耳を傾け、正しく理解することが大切です。
まずは真摯に「聴く」こと。そして、年々自身の求められる役割は変わっていくということを前提に、毎年確認・理解することが重要です。
「役割」を伝え、「役割」を理解することで、お互いが気持ちよく仕事をすることができます。
まずは「役割」を明らかにすることからはじめましょう。

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